非消費世代 2010 2 13

 非消費世代というと、どういう世代を連想しますか。
普通は、年金暮らしの高齢者世代でしょうか。
 しかし、今は、若者も非消費世代と言えるでしょう。
消費をしないというよりも、消費を嫌がる傾向にあるということです。
そういうわけで、自動車は、若者には売れません。
書名 「嫌消費」世代の研究  松田 久一著  東洋経済新報社
 消費をしないから、結局、それは貯蓄となります。
堅実に、こつこつと貯金をするという若者は、意外に多いのです。
 年配の世代から見れば、ほとんどゼロ金利なのに、
なぜ、消費しないで貯金をするのかと思うかもしれません。
 しかし、経済学的に見れば、こうした行動は、合理的です。
デフレ時代に、現金は、王様となります。
もっとわかりやすく書くならば、
デフレ時代に、現金は、商品に対して、王様となります。
だから、こうした時代は、商品よりも現金を欲しがります。
 もちろん、多くの若者は、こうした経済学を知らないでしょうが、
結果的に、合理的な行動をしていると言えるでしょう。
 さて、経済学的な観点で書いてしまいましたが、
若者が消費をしないのは、やはり心理的な面が大きいと思います。
 ところで、私が若者のころは、消費は旺盛でした。
収入以上に、消費をしていました。
まるでアメリカ人のように、消費をしていました。
あの時代は、終身雇用で年功序列だったからでしょう。
将来に対する不安はなかった、あるいは感じてなかったと思います。
 しかし、子供時代は、貧しかったのです。
(以下の「カラス 2009 9 5」を参照してください)
だから、就職したら、反動で、
収入以上に、消費をするようになったのかもしれません。

カラス 2009 9 5
 私の子供時代は、まだ戦後復興の気配が残る時代で、
都市部はともかく、地方の農村部は貧しかったのです。
 だから、「おやつ」という贅沢なものはなかったのです。
しかし、成長期だった私には、昼食と夕食の間が、あまりにも長かったのです。
 自然の恵みが、私の空腹を満たした。
どこの家でも、庭に果樹があり、初夏には桃、盛夏には梨、秋には柿と、
食料(おやつ)には不足しなかったのです。
 しかし、冬が近づくと、果樹は冬支度を始める。
「俺たちは、カラスと同じだね」と、友達がつぶやく。
 そのとき、果樹の仲間たちの思いは強いものとなった。
僕は学問で身を立てる。
俺は有名なスポーツ選手になる。
手に職をつけて立派な職人になる。
 「どうして、うちは、お金がないのか」と祖父に聞いたことがあります。
祖父は言う。
「我が家は、数百年続く家系だ。
江戸時代には、幕府の旗本や御家人だった。
広大な農地があり、寺院を寄進するほどだった」
私は思う。
「江戸幕府は、明治維新で敗れ、日本は、太平洋戦争で敗れ、
つまり、我が家は、没落貴族だったかもしれない」



















































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